がんを職場にどう報告するか
Introduction
がんを罹患すると、「誰にどう伝えるのか」という問題に直面します。
特に職場への報告は、多くの人にとって非常に難しい課題です。 がんになったことで、会社からの待遇が変わる恐れを抱く人もいれば、伝えないという選択に伴う弊害を恐れる人もいると思います。
この記事では、がんを職場に報告する際に知っておきたい基本的な考え方について説明します。
ご自身の置かれた状況に即して、「どの範囲の人に、どう伝えるのか」を決める参考にしてもらえればと思います。
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Contents
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がん ≠ 退職
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「決めるのは本人」という大前提
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伝えると何が起こるのか
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伝えないことは可能か
がん ≠ 退職
がんと診断された患者さんの中には、医師に相談することもなく、勝手に仕事を辞めてしまう人がいます。辞める必要が全然ないにも関わらずです。
よく「がんになっても仕事できるのか」と聞かれます。私は「好きなように仕事をすればいい」といつも伝えています。「がん=退職」ではないのです。
ただ、学校の先生のように人との接触が多かったり、警察官や消防士のように体力を必要とされたりする仕事の場合は、事務職に移ったり、重労働から外してもらったりしてもらうべきでしょう。化学療法を受けている方は特に注意が必要です。
宣告をされた直後は、頭が混乱しています。そのために仕事を辞めないといけない、といった極論に傾いてしまうようです。なので、がんになっても仕事は辞めなくていいということを覚えておいてください。周りの患者さんで退職すべきと思い込んでいる方がいたら、必ずしも辞める必要はないと説得してあげてください。
「決めるのは本人」という大前提
今回のタイトルは「どう伝えるか?」ですが、そもそも伝える義務はありませんので、「伝えない」という選択もあります。この観点は意外と見逃されています。
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